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筆ペンワークショップ

 


 私の大好きな本、アリソン・アトリーの『時の旅人』に、
「つづりは人それぞれのこと、私には私の好みのつづりがあり、すきなように文字を選ぶ。私の息子たちも娘たちも、それぞれすきなようにしている。言葉はだれでも自分の気分にまかせてつづれはよいのであり、それが書くことのよろこびの一つであって、人には美しい言葉を作り出す自由がある。」というところがあります。
時を超えて、少女が16世紀のイギリスの貴族の世界に紛れ込み、貴婦人フォルジャムの奥方と話をする場面です。
 この時代のイギリスの言葉の表記のとらえ方は、何とおおらかなのでしょう。ラテン語に対して、英語自体がローカルなものであったかもしれないけれど、つづり方は個人の自由だとは驚きでした。
 
 さて昨日は、筆ペンワークショップでした。午前7人、午後5人の方が参加して、真剣そのもので取り組んでいました。あまりの静けさに(筆ペンだけに、カリカリとペンを走らせる音もなくて)「みなさーん、ちょっと休んで、肩をまわしたり、背伸びをしましょう。」と思わず声をかけてしまうほど。
 先生が書いたお手本をみながら、ご自分の住所氏名を一生懸命練習しました。『へんは小さめに、つくりは大きめに』『文字の中心はどこか考えて』『楷書の中に行書が混ざると、美しくない』などなど、漢字を書くコツに聞き入っていました。「これは実用書道ですから、長さが足りないと思ったら、書き足していいのですよ。」という先生の言葉に、ちょっと気楽になったりもしました。
 最初に書かれた文字より、最後のがずっと上達しているので安心しました、と美佐子先生。
おやつのみつ豆は池上梅園近くの村田商店のもの。頭を使ったあとは、やはり甘いものが美味しいですね。

 時の流れの中で現代の日本語が確立し、美しく、正確に書くための書き順がきまり、私たちはそれを学校で学び、共通の認識を持っています。味わいのある表意文字と、それから作り出された便利な表音文字を持つ日本語は、何と奥深いのでしょう。
 漢字で書くか、カナで書くかによっても、ニュアンスの違いがあって、そのうえカナも2種類。たくさんの文字を覚えるのに学校では苦労したけど、それらを使いこなす力と自由を持つ私たちは、幸せだとも思えます。フォルジャムの奥方のように、アルファベット26文字の配列を工夫するのも面白そうだけど、たくさんの持ち物から好きなように組み合わせられること、しかもそれらを幼いころに学んだことが、私たち日本人の宝のように感じます。

 ワークショップの中で、先生から、個性的な文字を書く書道家も、実はとてもきれいな楷書を持っていると聞いて、何をするにも基本が大切なことをあらためて感じました。
 自分の名前をきちんと書けたら、公の席で恥をかかない、なんて、単純な理由で企画したワークショップでしたが、参加者の中には書道そのものに興味を持たれた方も少なくないと思います。今度は、毛筆で書く年賀状のワークショップなども出来たら面白いかもしれませんね。
2012.08.01 Wednesday|-|by アトリエ木里


In summer weeds grow fast.


 
タイトルは、高校一年のコンポジションのテキストの3番目にあって、暗誦したのですが、なるほど、意味が分かったのは最近かも。

イヌタデ、ネコジャラシ、スズメノテッポウ、カラスノエンドウ、ブタクサ。
雑草の名は動物の名がつくものが多いですね。そう、アトリエ木里の庭の草むしりは、毎日の日課と言えるほど。急に背の高くなった、ネコジャラシ、勢いを増すイヌタデ(あかまんま)、ドクダミ、大きくなったら、セイタカアワダチソウか、ブタクサになりそうな、キク科の植物、などなど。

山草好きの義理の父が、「地面に生えてりゃ雑草、鉢に植えれば山野草」と言ってたけど、ほんとうにひとつひとつの姿はかわいいのに、集団で襲ってくると、人間にとっては脅威なのですね。
ネズミは退治するのに、リスはしっぽの形が可愛いから愛でるのって、変!と思っていた私が、庭の草むしりとなると、なんとご都合主義で命を絶やそうとしているのでしょう。

はじめのうちは、花が咲いている時は抜く手を休めたけど、ここのところの勢いは、そうも言っていられないほど。それに小さいうちに抜かないと、大きくなるとなかなか根っこから抜けず、花が咲いて種でも出来たら、抜く度に種をまき散らすのです。花の愛らしさで退治を躊躇させるしたたかさ、抜かれる時の動きを利用して種をまく、種の保存の使命感、そのたくましさにに感動しつつも、自分でも恐ろしくなるほど、極悪人になって、草むしりをしています。

抜く時は草の名前を心の中で唱えてからにしていますが、それで罪滅ぼしになる訳でもないかな。ねこじゃらし、あかまんま、つゆくさ、、、、でもふと見つけたイタリアンパセリ、紫蘇などは抜かずに大事に育てねば!ああ、やっぱりご都合主義の極悪人ですね。
ともかく、In summer weeds grow fast!!
2012.07.25 Wednesday|-|by アトリエ木里


筆ペンワークショップ

 梅雨が明けたと思ったら、今日はまた涼しかったこと。
ちょっと一息ですね。
筆ペンで、きれいな字を書けたら、祝儀、不祝儀のさいも、ちょっと誇らしいのに、という発想から、筆ペンワークショッップを思い立ちました。
7月31日(火)仝畫娃隠飴からと 午後2時からです。

そうしたら、自分の名前もそうだけど、ご主人の名前も上手に書きたい、というご要望がたくさんありました。そうですよね、不思議だけど、たいてい奥様がご主人の署名もなさることが多いのですよね。
それで、ご自分以外に、もう一人ご家族のお名前もお手本を書いていただくことにしました。
どうぞ、ご住所、お名前、他にもうひと方のお名前と、ご希望時間、ご連絡先を明記の上、アトリエ木里にメールでお申し込み下さい。お手本の準備のため、7月27日までにお願いいたします。
2012.07.20 Friday|-|by アトリエ木里


あれこれ

 

きのうは河田ヒロさんのトークショーを見聞きしに、自由学園明日館に行ってきました。
とても素敵な建物、一度行きたかったところでしたが、カメラを忘れ、食いしん坊の私が携帯のカメラで撮ったのは、ランチのサンドイッチと紅茶だけ!自分でもあきれてしまいます。
オリンピックを前にイギリスのことをもっと知りたくて参加しました。河田さんはイギリスでイラストレーターとして仕事をしていた経験のある方で、イラストレーターの目で捉えた写真が、とても素敵でした。(明日館の大型テレビ画面で見ました。)たくさんの人種と文化が、歴史の中で入り交じり、違いを差別でなく、受け入れる寛容さ(あまりうまく言えないけど)のある国ということを知りました。いつか、河田さんのトークショーなどの企画も、アトリエ木里で出来たらいいな、と思います。

左の写真は、毎年、私のひそかな楽しみ、マンションの前の大木からこの季節の贈り物。
さてなんでしょう。つくしのお化けではありません。じつは泰山木の大きな花の芯。
泰山木は、気高い白い巨大な花を咲かせますが、あまりに高いところなので、花期はつい見逃してしまいます。でも、今年もちゃんと咲きましたよ、と、こんな素敵なものを落としてくれるのです。

 

さてこれは、この前に紹介したみそはぎの花の、我が家での重要な役割です。
お盆の三日間、ほとけさまの前の真菰の上に、蓮の葉(今年はギボウシで代用)の上に角切りにしたお茄子を置き、となりの水を入れたうつわの中に、こうしてみそはぎの花を3本束ねて半紙で茎を包んで置きます。お参りをするときは、右手でみそはぎを持ち、下の水をつけて、お茄子の上に、パッパッと水を遣ります。
送り火の時も、これを外に出し、みそはぎでお茄子にパッ、それからおがらの火の上にパッとまくのです。どういう意味があるのか、どういう由来なのか、全く知らないけど、ずっと昔からこうしているのです。不思議ふしぎ。でも大事にしたいことがらのひとつ。
2012.07.16 Monday|-|by アトリエ木里


藍染めワークショップ

 


7月10日は真夏の暑さ。熱中症になったら大変、と心配しましたが、皆さん別の意味で熱中して楽しんでくれました。何しろ藍甕(実はポリバケツ)が置いてあるのが、南側の庭だったし、タープが作った日陰を、午後西に廻った太陽がどんどん浸食してくれたので、慌てて藍甕を日陰に移動したり、簾を取り付けたりしましたが、幸い救急車を呼ぶこともなく、無事終了しました。参加した皆さん、お疲れ様でした。でも楽しかったね!
まずデザインを決め、それにあった絞り方を考え、紐やテープで括りました。
それから、ぬるま湯で洗った布をそっと藍甕に浸けて手でやさしく広げ、次に空気に当てて発色させます。この時、甕の中では黄色なのに、空気に触れると、どんどん緑色から藍色に変わっていきます。ここが最初の感動。充分発色させてまた浸けて、と、好みの色まで染めていきます。
そして水洗いし、脱水して解きます。解くと、今まで紺一色だったのに、鮮やかに白い部分が現れて、これがまた感動。早く見たいけど、落ち着いて解かないと、布を切ってしまう。幸い誰もその失敗はなくて、ほんとうに良かった。最後はもう一度洗ってソーピング処理。脱水して干して、記念撮影。
出来上がったショールを羽織ったり、細くして胸元に巻いたり、これで青山あたりを歩けます、などといいながら、皆さん素敵な作品をお持ち帰りになりました。
次回は藍染めTシャツか、草木染めショールか、次の構想のヒントも下さいました。
働いたあとのお菓子は、下丸子駅前豊田屋さんの『ちんちん千鳥』。これもまた好評でした。
暑い日に横浜から来てくれた森竹啓子先生、参加して下さったみなさん、アトリエ木里初めてのワークショップを成功させて下さって、ほんとうにありがとうございました。

2012.07.12 Thursday|-|by アトリエ木里


オープニング展終了しました。

 オープニング展『夏風さわさわ』終了しました。
たくさんの方に見ていただき、またお買上げいただき、ほんとうにありがとうございました。
アトリエ木里を始めようと思ってから、半年あまり、ずっと忙しく休みがなかったけど、
プレオープニングから数えて4つの展示、なんとか乗り越えました。心地よい疲労感というには無理があるけど、達成感とともにある疲労感は、ヘトヘトというのとはちょっと違う気がします。
ここ半年、放置してあった家の中の汚いところ(例えば換気扇のフィルターとか)や、草ぼうぼうのテラスの鉢植えなどと、これから数日向き合って解決していこうと思います。
写真など撮っている場合じゃないけど、梅雨空のもと、雑草の中でけなげに咲いているみそはぎや、いつの間にか茎が伸びて花が咲いていたパセリなど、つい目が行き、木里のために買ったEOS Kiss で撮ってみました。

みそはぎは我が家のお盆で重要な役割があります。それはまたのちほど。

パセリの花は、会期中アトリエ木里のガラスの花瓶にさして楽しみました。

のんびりしている間もなく、7月10日は藍染めワークショップ。材料の手配や
道具の準備を始めています。
まだ定員に余裕があります。
お申し込みをお待ちしています。
2012.07.01 Sunday|-|by アトリエ木里


夏風さわさわはあと二日。

 今日は実に40年ぶりのお友達がアトリエ木里を訪れて下さいました。
高校卒業して以来でしたが、玄関で、こんにちわー、という声を聞いてお顔を見たとたん、〇〇ちゃんね、とすぐに分かりました。
歳を重ねたけれど、お互い個性は変わらず、むかしばなし、その後のはなしを語り合ううちに時を忘れるほどでした。
我が家でも、町の中でもない、こういうところで、古い友達と会えるのも、木里をはじめてよかったな、と思える点かもしれません。

アトリエ木里最初の企画展、夏風さわさわもあと二日。
おかげさまでずいぶん少なくなってしまいましたが、まだまだ素敵な作品がいくつもあります。
皆様のご来場をお待ちしています。
2012.06.26 Tuesday|-|by アトリエ木里


夏風さわさわはこんな感じ


美味しいブラウニーとレモンクッキーでおもてなしいたします。


2人の作品でコーディネートしてみました。
 ♫夏風さわさわ〜




アトリエ木里の中はにぎやかです。

2012.06.21 Thursday|-|by アトリエ木里


夏風さわさわ始まりました。

 今日はアトリエ木里オープニング展初日。雨でなくてほんとうに良かった。アトリエ木里の中は、居心地のいい、自分の部屋のようです。うきうきするような服と、カラフルなストールやバッグに囲まれて、お客さまも楽しそうに選んでいらっしゃいました。二つと同じ物のない物を身につけるのは、ちょっと誇らしく、背筋も伸びる気がします。天気の鬱陶しさに負けずに、タッタカ歩けそうです。
明日、写真を載せますね。
2012.06.19 Tuesday|-|by アトリエ木里


身の丈+ちょっと背伸び

 こどもの頃は背が高いのがひとつの優越感かもしれません。私は四月生まれなので、背の高さも学業も、はじめはいいのに、だんだんクラスメートに抜かれていきました。背の順並びで少しずつ前の方にシフトされていくのは、なんだか面白くありません。でも春の身体測定の時は、身長計の台から物差しが立ち上がるところに、踵をきちんとつけていなくては、同級生の誰かが目ざとく見つけます。ズルは小学生の間では、大罪なのです。

 私の背の高さは、中学生の頃からあまり変わらず、160cm弱。それなのに、50歳を過ぎた頃、成人病検診で、久々に身長を測ったら、160.4cmでした。あれ、この歳で背がのびるの?いや、もしかして、無意識のうちに、ズルしたのかも。考えてみると、確かに踵をつけてはいたけど、体重をのせないように、浮かし気味で、つまり踵の肉を潰さないように、そっと身長計の上に立っていたのです。
 もう、身長でズルをしても誰もとがめたりはしないけど、やはりまだ、1ミリでも背が高く思われたい自分にびっくり。けれども背筋を伸ばして、きれいな姿勢で生活するのは、健康にもいいはず。ちょっと背伸びしたくらいがいいのかもしれません。

 アトリエ木里を始める前に、たくさんのギャラリーを見て回りました。とても都会的で洗練されたところ、木立の中の、無垢の木を使った、暖かみのあるところ、作家さんが好きなようにアレンジできる白い箱のようなところなどなど。私もしばらくはこっちがいい、あっちがいいと、惑わされたけど、結局分かったことは、身の丈にあったことしか出来ないということでした。
 この地域で、この建物で、出来ることを精一杯、無理をせず肩の力を抜いて、ほんのちょっとだけ背伸びするくらいがいい。そう思えるようになってから、アトリエ木里を楽しめるようになりました。

 これから本格的に始動する、アトリエ木里をどうぞよろしくお願いします。
2012.06.14 Thursday|-|by アトリエ木里



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