◉柿渋染のかばん終了しました。
初日も雨、最終日も雨。晴れていても風が強かったり寒かったり。
片付けようと思っていたセーターをまた出して着たり、
天候に泣かされた展示期間でした。
アトリエ木里の庭の草花も春を迎えて賑やかなはずが、
曇天のもと何となく寂しげでした。
それでも来て下さったお客さまは大満足の展示だったと思います。
多忙な横山正美さんに無理を言ってお願いしましたが、
忙しい方は本当に信頼出来る仕事をなさるのだな、と、つくづく思いました。
仕事は忙しい人に頼め、というのもひとつの真理なのだと感じました。
アトリエ木里としては、村上の仕事展以来の久しぶりの個展でした。
個展というのは、その作家さんの世界がアトリエ木里すべてを埋め尽くすわけですから
木里の中に入った途端にわーっと雰囲気を感じられるように展示したいと思いました。
タペストリーをどういう風に展示するかからはじまり、
はじめて見る横山さんの作品を、半日かけてアトリエ木里の中に展げていく、
まさに展示とは、展げ、示すことなのだな、と妙に納得しながら楽しく飾り付けていきました。
最初、柿渋と、アトリエ木里の木の展示台の色が合わないことに気づき、
台をグレーの布で覆い柿渋の色合いが生き生きとするようにしました。
ところが、展示の途中でグレーより白がより鉄媒染の柿渋色をくっきりと出せるのではと気づき、
白の荒いフェルトを台に敷き直しました。
そんな風によりよく作品が見えるように工夫することは、ギャラリーの楽しみでもあります。
多くのお客さまが身につけて楽しんで頂けるよう、鏡を二ヵ所に設置しました。
お客さまは触ってみて、手に取って、肩にかけて、鏡の前で振り返り、一番お似合いのかばんを探しました。
なぜか、ほとんどのお客さまにぴったりのかばんが見つかりました。
これというのも、横山さんが数多くのかばんを作って研究し尽くされた形、
限られた色の中でのデザインの豊富さ、
製品としての縫製などの作りの確かさがあったからだと思います。
いつものお客さまのほか、アトリエ木里では久しぶりの方、インスタグラムを見て,という方、通りがかりの方、と、
いろいろな方がお見えになり、楽しい9日間でした。
来て下さった方、その上お買上げ頂いた方、本当にありがとうございました。
お忙しいなか、アトリエ木里の展示のためにたくさんの作品を作って下さった横山正美さん、
ありがとうございました。
またいつかアトリエ木里で展示が出来ることを願っています。
木里の猫柳の開花がおそく、会期中枝を切って活けてみたところ、
ようやく固い殻を破って開花して、途中まるで文鳥が枝にいるように見えて、
また開花するとハリネズミのようにも見えたりで、面白く観察しましたのでその写真を。